第79回：普段着と、お出掛け着。

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暑くもなく寒くもない。そんな穏やかな気候に恵まれた秋は、新たなモノやコトを見つけたりと好奇心がムクムクと湧いてくる季節。
今回は、そんな時期と気分にぴったりの、普段着からちょっとしたお出掛けにも着ることのできる万能ワンピースとパンツのお話しです。

コットンのツイル生地で作ったワンピースは、ベルトひとつでお出掛けモードにもなる優れもの。
どちらかというと今まではカットソー（伸縮性のある素材で作るアイテム）でこのような楽に1枚で決まるアイテムをデザインしてきましたが、今回はより普段着とお出掛け着の中間を意識した服を作りたいと思い、そのかたちを布帛（伸縮性はあまりなく、型崩れしにくい生地）で表現しました。

お出掛けを意識したきちんと感を出すには......と考えた結果、工夫したところは、ほんのり立ち上がる首元部分。
この少しの立ち上げによって、首元がシャープに、そして全体までもがすっきりと見えるから不思議です。
このすっきり感から、サイズも細身なのでは？！と思われるかもしれませんが、袖周りからバスト周りもゆったりとしたサイズになっていますのでご安心を。（実はサンプルの時点ではタイトな作りでしたがサイズ感を改善しました。）
ベルトをつけない時はリラックス感のあるシンプルで便利な1枚ですが、付属のベルトをつけるとたちまちキリッとした雰囲気のお出掛け着に。
私は敢えてスニーカーと合わせてはずした感じの着こなしが気に入っています。

パンツも今までは足のかたちがきれいに見えるよう意識した、すっきりとしたライン中心のデザインが多かったのですが、今回はデザイン性のある、少し個性的なかたちのものを作りたいと思い、製作を進めました。
ここにもお出掛け感を意識した点は、敢えてウエストにゴムを入れない作りに。
ウエスト部分は、身体に沿うようにカーブしたラインにし、ゴムを入れない仕様にすることによって、トップスをインにした時の見え方や、タックがきれいに映えるパンツに仕立てました。
2サイズ展開のパンツは、体型に合わせてジャストサイズで履いても良し。
小柄な体型の方が敢えて大きいサイズをベルトで締めて履いても面白いシルエットになり、パンツがメインの装いも楽しめそうです。

knit beret "park"

理想的なニットのベレー帽をずっと探してきました。

いつもよりおしゃれをする日のキーアイテムとして使えることはもちろん、
さっとかぶるだけで決まるような、少し力の抜けたニュアンスのものがいい。
なかなか見つからないのでこの際自分で編もうかと、糸まで用意したほどでした。
ところがタイミング良く国内のニット帽工場との良い出会いがあり、
長年思い描いていたベレー帽が完成しました。
主張しすぎない "ちょうど良い" かたち。
糸は、優しい雰囲気と温かさが魅力の素材「ラクーン」が混紡されたものを選びました。

「ベレー帽が似合う人」。
この先いくつ歳を重ねても、永遠のあこがれです。

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