
第1回
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コラージュ・題字:堀井和子
堀井和子さんが日々の暮らしや街歩きの中で見つけた、いいもの、美しいものを報告してくださる連載です。今回は、グレーから透明へのグラデーションにいざなわれて・・・。
*本連載は、今回をもって終了です。4月から、CLASKA 発のWEBマガジン「OIL MAGAZINE」で堀井さんの新連載がスタートします。どうぞお楽しみに。
> OIL MAGAZINE 新連載 堀井和子さんの「いいもの」のファイル
旅行中に見つけた、壁に浮き出るように並んだ ATELIER B の文字。字体や、細い棒状の支えもすっきり美しいデザインで、しばらくの間立ち止まって見続けていました。我家のリビングルームの白い壁にも、こんなメタルの文字を並べられたらと、羨ましく感じながら。
散歩の途中でパピエラボに立ち寄って手に取った、グレーの厚手の封筒。インドで作られた手漉きコットンペーパーのものだそうです。
この厚さ、手触り、何とも言えないニュアンスのあるグレー──今まで見たことがない封筒で、見つめていると何だか外国へ旅行したような気分になるのが不思議。
封筒の上に置いてみたのは、オランダの20cent切手。子供が描いた絵の切手が好きで、見つけると買っています。
封筒の他に SAB LETTER PRESS の CARD SET も買いました。(写真右上)グレー地のカードの角が白く折れたように見えますが、この部分も、シルクスクリーンで印刷されています。シンプルだけれどウィットのあるカード、茶色がかったベージュの封筒には、ちょっとモダンな面白い切手を貼ってみたくなります。
ガラスの直方体のオブジェは、鳥山高史さんの作品。1つめは恵比寿のイコッカで、2つめは以前北参道にあったギャラリーで個展の時に買い求め、ペーパーウェイトとして愛用しています。
中心部分が凍ったように白く霞んで見え、表面が本物の氷のように幾分荒れた表情になっています。金型の方に工夫してあるのだと思いますが、鳥山さんは金型も自分で作られると、お会いしたときに伺いました。
3.5×3.5×4.5cm と小さいけれど、ガラスの魅力のかたまりみたいで、ひとつずつ別の個性を持っているから、見つけるたびに数を増やしてしまいそうです。
堀井和子
堀井和子さん プロフィール
1954年、東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家としてレシピ本や、自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍、国内外の旅のエッセイなどを多数出版。2010年に「1丁目ほりい事務所」を立ち上げ、CLASKA Gallery & Shop “DO” と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行なっている。
2020年4月6日 公開

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