
第1回
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コラージュ・題字:堀井和子
堀井和子さんが日々の暮らしや街歩きの中で見つけた、いいもの、美しいものを報告してくださる連載です。今回は、器を味わう、秋の食卓。なんともおいしそうです。
CLASKA Gallery & Shop "DO" 本店へ行った時、必ず見るのが成井窯の器のコーナーです。その時々で、並ぶ器の種類が違うことに、わくわくが増します。
今回買ったのが、このどっしりとした四方鉢。縦・横24.5cm 高さ4.5cm で、持つとしっかり重い。ざっくりとした縁部分の造形(切口が素敵です)、自然な歪み、砂色の地に鉄釉の点々と茶色の出かたが、たいそう美しく感じられました。器自体が何だかおいしそうで、一目で気に入ってしまいました。
早速、盛り付けてみたのが、神田志乃多寿司の稲荷と海苔巻。志野焼の湯飲みと染付の茶碗・取り皿を添えて。PENTTI RINTA がデザインしたマリメッコのキルト地のテキスタイルは、テーブルセンターとして使っています。グレイッシュなオリーブグリーンとシックな水色の手描きストライプ柄です。
新宿のデパートの出店で、神田志乃多寿司の折詰を時々買います。いついただいても、きりっとキレのよい格別な味ですし、鈴木信太郎さんの絵の包装紙に、心も持ち上がります。
昨年、平皿の後に買ったのが、口径17.5cm 高さ10cm の丼。成井窯のアメ釉の深い茶色は、本当に魅力的だなぁと思います。
昔、南仏のヴァンスで見つけた“グレ”という陶器。この陶の表情と成井窯の四方鉢の表情がびっくりするほど似ていて、四方鉢を見た時、ふと懐かしい友達に出会ったような気がしました。
堀井和子
堀井和子さん プロフィール
1954年、東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家としてレシピ本や、自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍、国内外の旅のエッセイなどを多数出版。2010年に「1丁目ほりい事務所」を立ち上げ、CLASKA Gallery & Shop “DO” と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行なっている。
2017年9月15日 公開

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