コラージュ・題字:堀井和子

堀井和子さんの
「いいもの、みつけました!」

堀井和子さんが日々の暮らしや街歩きの中で見つけた、いいもの、美しいものを報告してくださる連載です。最近、香川を旅された堀井さん。素敵なお土産話を届けてくださいました。

第91回:瀬戸内海/和田邦坊のデザイン展/灸まん

香川県善通寺の灸まん美術館に行ってきました。

曇の日の瀬戸内海の夕暮れは、ブルーグレーに霞んで幻想的でした。

パッケージデザインの本を繰って、いいなぁと心を動かされ、クレジットを確かめると和田邦坊さんの名前を見つける、そんなことが重なって、和田邦坊さんのことを知りたくなりました。

神田の古書店で買った「日本のパッケージデザイン その歩み、その表情」(六曜社 1976年発行)のP.200に、和田さんのプロフィールと仕事について記載されています。(上に置いた1982年発行の第4版は、表紙カバーの文字色が違っています。)

ネットで調べるうちに善通寺の灸まん美術館、和田邦坊画業館での展示を知りましたが、和田邦坊の仕事展など何回かは見逃して残念に思っていました。今回は何とか会期中に「君不老如花 和田邦坊のデザイン」展を、と丸亀で車を借りて1泊2日のドライブ旅行に。

栗林公園の紙袋や讃岐の駄菓子の手提げ箱などは並んでいませんでしたが、力強いタッチの木版画や原画、しおりやチラシ、マッチ箱、箸袋などのデザインをじっくり見ることができました。

左上は「和田邦坊デザイン探訪記」の本、右上は封筒と便せん、右下はミュージアムショップの紙袋。

灸まん美術館のカフェで紅茶を注文したら、灸まんが一緒にサーヴされました。中の白あんときつね色の外側の生地が軽やかで、ほっこりした風味がとてもおいしかったので、お土産にも買いました。

香川生まれのデザイナーの仕事を、こんなふうに大事に集めた美術館が地元にあるのは本当に素敵なことです。

包装紙や手提紙袋、お菓子の箱、栞───パッケージデザイン、特に紙のものが大好きな私は、また次回の展示の折ここを訪ね、ゆっくり灸まんとミルクティーを味わいたいと思っています。

堀井和子

堀井和子さん プロフィール

1954年、東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家としてレシピ本や、自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍、国内外の旅のエッセイなどを多数出版。2010年に「1丁目ほりい事務所」を立ち上げ、CLASKA Gallery & Shop “DO” と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行なっている。
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2020年3月16日 公開

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