
第1回
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コラージュ・題字:堀井和子
堀井和子さんが日々の暮らしや街歩きの中で見つけた、いいもの、美しいものを報告してくださる連載です。早春の、優しい雲と雨と、お散歩と。
ペリカンの食パンを買った後、蔵前のあたりを歩いていたら、小路の先に“proto 器とタカラモノ”と書かれた立て看が目にとまり、2階のお店へ。
proto で見つけた安達知江さんのガラス皿は直径21.5cm、雲と雨の大胆な構図と、フワフワの白い雲の表現が新鮮に感じられました。均一でフラットな雲ではなくて、細かい水の粒が集まった塊が立体的に迫ってくるデザインが面白いです。
この雲と雨の後は、太陽が追いかけてきて晴れそう ―― と想像して黄色い郵便用BOXにのせたら、雲の表現がよく見えました。
透明のクリスタルパックや銀色の紙箱の上に置いたら、デザインのクールでいながらフワッとした雰囲気が伝わるような気がしました。
雲と雨の柄のテキスタイルは Jessica Ogden のデザイン。旅行用のポーチで、ポケット付き、雲の柄2種のコラージュみたいな仕立てがきいています。
外側はランチョンマットとして使えるかもしれないと思って購入しました。
今、改めて見ると、この細長いプロポーション、角が丸い形、アイボリーホワイトのパイピングが長閑でおっとりとしていて、何とも魅力的です。ランチョンマットというと長方形のカッチリした形を考えてしまいますが、こんな、のんびりしたランチョンマットもいいなぁ。
proto 近くの中村茶園で、焙じ茶を試飲させていただきました。とても飲み心地がよかったので、その焙じ茶と、渋みのきいた山の上の茶園の煎茶を買いました。
その先のダンデライオン・チョコレートのファクトリー&カフェも覗いてみました。チョコレートを使ったケーキやカフェのインテリアに魅かれながら、今回はエクアドルのチョコレートのタブレットを購入。なめらかなコクと、キュッとキレのある酸味と甘さのバランスが格別なチョコレートでした。
ひっそり静かな通り沿いに、小さい公園があって、こんなお店が点々と見つけられる ―― ふと外国の街を旅行している時の、ワクワクした気分になりました。
堀井和子
堀井和子さん プロフィール
1954年、東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家としてレシピ本や、自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍、国内外の旅のエッセイなどを多数出版。2010年に「1丁目ほりい事務所」を立ち上げ、CLASKA Gallery & Shop “DO” と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行なっている。
2019年3月15日 公開

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