コラージュ・題字:堀井和子

堀井和子さんの「いいもの、みつけました!」

堀井和子さんが日々の暮らしや街歩きの中で見つけた、いいもの、美しいものを報告してくださる連載です。これぞ、街歩きの面白味。

第50回:Bridge

グレーの建物が並ぶ静かな通りを、どちらかというと、あてどなく歩くのが好きで、日本橋を小舟町、堀留町、富沢町と進み、靖国通りへ向いました。

浅草橋は、道路が放射状に交わる交差点で、靖国通りに面した古いビルの1階に目がとまりました。上の方はコンクリートのグレーのすっきりしたデザインで、1階のあたりは濃い色のタイル貼り、金の鷲のマークと、イーグルビルの白い文字が印象的。

1階のお店の入口部分のデザインは、白い看板や床、照明も含め、何ともカッコよくて、魅かれたのです。インターネットで調べてではなく、歩いていて、ふとこんなお店を見つけられるなんて、すごく嬉しい。

Bridge は、コーヒーとアイスクリームのお店です。この日はビーバーブレッドのメロンパンとドリップコーヒー、カフェラッテで軽くお昼を。入口の壁際で風が気持ちよい席に座りました。

初めて訪ねた日は、ドリップコーヒーとバニラアイスクリームのシングル、コーン付きを注文しました。エチオピアの豆のコーヒーは、香りが高く、酸味・キレがあって後口が爽やかでした。バニラのアイスクリームは、ちょうどよいコクと懐かしいバニラの香りで、とてもおいしかったです。

木肌にノミの跡を残した大きなテーブルや椅子、スツールなどがシンプルで温かさがあり、パンやアイスクリームのコーンの紙の包みかたも美しい。キッチンのカウンター、開口部が、放射状の交差点を望むように設計されているので、開放的でのびやかな居心地のよさを感じます。

ロケーションと設計とメニュー構成、お店の人の気持ちが、こんなふうにすーっと筋が通っていると、遠くても通いたくなりますね。

ビルの上、広告看板の右側に、グレーのスカイツリーがちょっと見えます。日が暮れてライトが点灯し始める頃、ここに座って交差点を眺めてみたいです。19:00閉店なので、夏はまだ明るいかも知れませんが・・・。

堀井和子

堀井和子さん プロフィール

1954年、東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家としてレシピ本や、自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍、国内外の旅のエッセイなどを多数出版。2010年に「1丁目ほりい事務所」を立ち上げ、CLASKA Gallery & Shop “DO” と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行なっている。
> 関連記事:「堀井和子さん、テーブルクロスについて教えてください。」

2018年6月16日 公開

バックナンバー