
第1回
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コラージュ・題字:堀井和子
堀井和子さんが日々の暮らしや街歩きの中で見つけた、いいもの、美しいものを報告してくださる連載です。年のはじめにワクワクと、子どもの頃の遊び心が思い起こされます。
スケジュール帳は毎年選んでいます。今年は清々しい緑色に魅かれて、HIGHTIDE の "nähe" にしました。
2015年は白、2016年は茶色、2017年は赤の表紙で DELFINO LIMITED COMPANY 製のものを使っていました。使い勝手と罫のデザインで候補を探し、最終的には表紙の色が決め手になります。白い表紙は使っているうちに凹凸が出来たので、気に入った画像を出力してビニールカバーとの間に挟んでいました。
今年は戌年ということで、玄関近くの本棚の上に、ボール紙製の犬をフレームBOXに並べてあります。フランスの工作の本("LA FERME EN CARTON" Godeleine de Rosamel 著)をお土産にしたら、小学校低学年だった姪の光が、ボール紙で犬を作って贈ってくれました。絵具で描いた茶色のドットや目鼻が、すごくいい表情になっていました。20年近くたって、白がベージュ色に変化したボール紙の犬は、動き出しそうに感じます。
茶色のペイントで思い出したのが JOHN CAGE と LOIS LONG 著の "MUD BOOK"(ABRAMS 社の1988年発行の本)。最近外苑前の ON SUNDAYS のショーウィンドーで、この本をまた、見つけました。(著者名が細い字体に、発行元が Princeton Architectural Press に変わっていました。)MUD PIE や
MUD LAYER CAKE を作る工程がこげ茶色で描かれ、黒の手描き文字の説明にワクワクし始めます。ページを繰るたびにハッとして嬉しくなります。
終わりの方の、バースデーケーキに刺したタンポポの綿毛を吹き飛ばすシーン、すごく素敵です!この見開きは、ぜひ、本を手に取って確かめて欲しいので、写真に撮らないでおこうかと。
写真中央は 昔、買った "MUD BOOK" HOW TO MAKE PIES AND CAKES
右は casterman、1996年発行の "LA FERME EN CARTON"
堀井和子
堀井和子さん プロフィール
1954年、東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家としてレシピ本や、自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍、国内外の旅のエッセイなどを多数出版。2010年に「1丁目ほりい事務所」を立ち上げ、CLASKA Gallery & Shop “DO” と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行なっている。
2018年2月2日 公開

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