
第1回
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コラージュ・題字:堀井和子
堀井和子さんが日々の暮らしや街歩きの中で見つけた、いいもの、美しいものを報告してくださる連載です。美味しい“焼き色”を味わいましょう。
11月初めの日曜日、国連大学前のマルシェに寄った帰り、あたりにパンを焼くいい香りが漂っていました。これは絶対に食パンの香り、この近くにベーカリーなんてあったかなぁと見廻したら、以前カフェだったお店の場所に CENTRE の文字の看板が。銀座のセントル ザ・ベーカリーのことは知っていましたが、長く並ぶのは苦手で、ずっとパスしていました。
青山店は11月1日オープンで、私が通りがかった時間帯は並ばずに買えました。(扱っているのは食パン3種類とバターだけで、食パンは2斤単位の販売。)3種類の中から、北海道産の小麦“ゆめちから”を使った角食パンを選びました。
食パンの皮の焼き加減も香りも、昔懐かしい感じです。中はふんわり弾力があって、湿度を適度に保っています。やわらか過ぎると手切りはむずかしいのですが、かなり綺麗にスライスできました。焼かずに食べると、この弾力が生きて、絶妙な口あたりに。あたりに漂う香りで食パンを見つけられて、よかったです。
栗田荘平さんの丹波焼の土瓶です。丹波篠山の仕事場の2階に新しく展示室を開いたと伺って、記念の陶器展に伺い、大事に抱えて帰ってきました。本体の高さは15cm、胴の一番ふくらんだ部分の直径が12cmで、たっぷり6〜7人分はお茶が入れられるサイズです。
丹波焼の深い茶色は本当に美しい。艶のある部分、かすれた部分の表情に、たまらなく魅きつけられます。丹波の地元の土、薪にする木、登り窯も見せていただきました。
登り窯の横に積まれた木材。山野草が自然に晩秋の花を咲かせていました。
栗田さんがアメリカで陶芸を学んでいた頃、愛用していたスケートボード。穴に帆を立てて走ったのだそう。ボードのすーっとした形も、年月を経た墨色も素敵でした。
堀井和子
堀井和子さん プロフィール
1954年、東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家としてレシピ本や、自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍、国内外の旅のエッセイなどを多数出版。2010年に「1丁目ほりい事務所」を立ち上げ、CLASKA Gallery & Shop “DO” と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行なっている。
2018年12月7日 公開

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