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コラージュ・題字:堀井和子

堀井和子さんの
「いいもの、みつけました!」

堀井和子さんが日々の暮らしや街歩きの中で見つけた、いいもの、美しいものを報告してくださる連載です。堀井さんの CLASKA Gallery & Shop "DO" 本店での企画展「Package」、いよいよ明日9月8日(土) から開催です!

第55回:釣りジロベー/手描きラベル/ラム酒の瓶/立体コラージュ

本棚の上、左端は、今回の企画展会場に並ぶ“釣りジロベー”です。釣りをしている人のやじろべえということで“釣りジロベー”と呼ぶことにしました。

アメリカに住んでいる頃、旅先のヴァーモント州の general store で、釣りをしている人のやじろべえを買いました。general store は雑貨、日用品、食料品など、いろいろなアイテムを扱うお店で、その地域で採れた野菜や果物、ジャムやコンポート、地元のお母さんたちのレシピブック、カードや木製品を見ては胸を躍らせていたことを思い出します。農家の方の手作りと聞いた、このやじろべえ、何とも言えず、のどかな雰囲気です。

33年たって、帽子や腕の色はすっかり褪せ、針金もあちこち曲げたので、バランスを取るのがむずかしくなりました。そこで、のどかな雰囲気とバランスを取る面白さを大事にしながら、2018年の釣り人を長谷泉さんに制作してもらうことに。ヴァーモントのやじろべえは、帽子の色が深い赤で、腕のモールが濃いブルーだったのですが、今、手に入るモールでは綺麗な色が少なく、腕は黄色を中心にしました。帽子もオレンジっぽい赤、水色に近い青、グレー、濃紺を選びました。

人と魚のボディは、ケヤキ材に型紙を貼り付けて、ひとつひとつ切り出して、サンドペーパーで整え、帽子をペイントして、釣竿を付けます。このタイミングで私が長谷家に行って、目鼻を描かせてもらうのですが、ちょっとした違いで、性格もそれぞれ別に感じられました。この後、針金やモールを付けて完成です。針金のカーヴや魚の位置を変えると、いろいろな揺れかたをして、釣りの時の動きを楽しめます。

1枚目の写真の釣りジロベーの右側は、水色のラベルがハシバミオイル、生成色のラベルがスグリのオー・ド・ヴィ。私の手描き字をグラフィックデザイナーの井上庸子さんにレイアウトしていただきました。

アメリカに住んでいる頃、西インド諸島のマルティニーク島へ旅行して、お土産にホワイトラムを買いました。透明の瓶に、文字とロゴのラベル、丁寧にラフィアを繋いで仕上げたパッケージの美しさは、衝撃的だったと思います。今はラフィアの仕上げのワインやリキュールの瓶をほとんど見なくなってしまいましたが、私は、美しいパッケージを見ることが出来る美術館があったらいいなぁとよく考えていました。

オー・ド・ヴィやキルシュ、ホワイトラムなど透明なお酒の瓶は素敵なものが多いのですが、空にして洗ってみても、抜け殻のようで魅力が薄れます。無色透明の液体でも、水と全く違う美しさがあることに気づきました。今回の展のために、長谷泉さんにラフィアの仕上げを修得してもらい、私の手描きのラベル(マルティニークのカクテルのレシピ付)を貼ったホワイトラムは、オブジェとして鑑賞して欲しいので、中はそのままに。

本当は特注の文字入り木箱が理想ですが、ワイン専門店で文字が印象的な木箱を探し、一度解体してラム酒の瓶のサイズの木箱に作り直してもらって、そこに納めました。

ボール紙の箱の内側にコラージュして、中の色に合わせてペイントした積木を貼ったり、細い針金や紙紐を渡したりした、立体的な構成です。額に入れて見ると、この高さが面白い効果を作ってくれる気がしています。

パソコンの作業でデザインすることは出来ないのですが、こんなパッケージが好きだなぁ、今は失われてしまいそうな手法にワクワクする ―― いろいろなタイプのパッケージへの想いが並べられそうです。

堀井和子

1丁目ほりい事務所 × CLASKA Gallery & Shop "DO"
Package

[会場]CLASKA Gallery & Shop "DO" 本店(CLASKA 2F)
[会期]2018年9月8日(土)〜30日(日) 11:00〜19:00
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堀井和子さん プロフィール

1954年、東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家としてレシピ本や、自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍、国内外の旅のエッセイなどを多数出版。2010年に「1丁目ほりい事務所」を立ち上げ、CLASKA Gallery & Shop “DO” と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行なっている。
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2018年9月7日 公開

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