コラージュ・題字:堀井和子

堀井和子さんの
「いいもの、みつけました!」

堀井和子さんが日々の暮らしや街歩きの中で見つけた、いいもの、美しいものを報告してくださる連載です。春へ向かう心に、目に、光が灯ります。

第66回:シナマンサク/日本酒/“黄鼠”のぐい飲み/龍の器

小石川植物園で撮ったシナマンサクの花。

中国原産で、花の時期はマンサクより早く、枯葉が枝に残っていることが多いのだそう。

小石川植物園へ毎年、梅を見に出かけるのですが、まだ葉のない枝が目立つ背景に、明るい黄色の花を見つけて心が浮き立ちました。

マンサクは英語で Witch hazel、花言葉は呪文、魔力、ひらめき。ちょっと興味をそそられます。

青山熊野神社の脇を入ったところにある、新川屋酒店で日本酒を買いました。

燗をして飲む、料理に合うお酒ということで、静岡の青島酒造の“喜久酔”をお店の人にすすめていただきました。燗を付けるとキレがあって、お酒のコクと甘さがすっと料理を引き立てるような印象でした。

日本酒は冷やではなく、ぬるめに燗を付けて飲むのが好きです。いろいろ味わってみたいので、720mlの瓶入りを買うようになりました。

“金鶴”は佐渡の加藤酒造の本醸造のお酒。お正月に微発泡のにごり酒を試して、シャンパンのような爽やかな飲み口が新鮮だったので、今回別の種類を。

日本酒を飲む時に必ず出してくるのが、“黄鼠きねず”のぐい飲み。京都の松本為佐視氏作で、黒田陶苑で見つけました。(20年近く前のことです。)

ほんの少し青みを帯びた、何とも言えない色と、“黄鼠”という名がとても粋に感じられ、他の器ではなく、ついついこちらに手が伸びてしまいます。

龍が描かれた煎茶用の小さい茶碗も、日本酒を飲む時によく使っています。

2月から3月に向う頃、テーブルの上でも、だんだん明るいもの、軽やかなものを組み合わせたくなります。グレーの幾何柄のクロスに、藤原盆、ベージュの伊賀焼やガラスの取り皿で春を待つ宵に。

堀井和子

堀井和子さん プロフィール

1954年、東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家としてレシピ本や、自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍、国内外の旅のエッセイなどを多数出版。2010年に「1丁目ほりい事務所」を立ち上げ、CLASKA Gallery & Shop “DO” と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行なっている。
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2019年2月15日 公開

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