第1回
コラージュ・題字:堀井和子
堀井和子さんが日々の暮らしや街歩きの中で見つけた、いいもの、美しいものを報告してくださる連載です。新オープンで話題の渋谷スクランブルスクエアに、早速お出かけされたそうで・・・。
11月1日にオープンした渋谷スクランブルスクエア、夜間のイルミネーションがとても綺麗ですね。私は端の縦のラインが流れるようなデザインで水色になる時が好きです。
地下2階の THIERRY MARX のブーランジェリーでパンを買ってみました。バゲットは何種類かあって、かなり迷いながらも“トラディション”を選びました。
しっかり焼き上げた濃い皮の色やクープの部分の様子が、とてもフランスっぽいバゲットのように見えます。家に帰って早速昼食に食べましたが、中身の湿度が失われていない弾力と優しくてのびやかなコク、クラストのキレや香ばしさのバランスが極上で、すごくおいしかった。何だか包容力を感じるおいしさです。
毎日食べても食べ飽きないバゲットを見つけられて、嬉しくなりました。
他にパン・ド・ミと角食も試してみました。
パン・ド・ミは、バターや生クリームをあまり想像させないあっさりめの生地で、外側はハード系のタイプ。端(耳)の部分をトーストせず、そのままバターを塗って食べましたが、中身は小麦の優しい甘さが印象的。食べ進む間に、さらに好きになっていくパンかも・・・。
角食はかなりふんわりやわらかな(エアリーな)タイプ。日本の角食を意識しつつも、ちょっと正統派の素直な風味を持っています。
シェフはフランスの伝統と日本ならではの味の融合に挑戦・・・という説明を読みましたが、バゲットとパン・ド・ミ、角食を味わってみて、その想いが伝わってきたように感じました。
CLASKA Gallery & Shop "DO" で10月に開かれた KIN の展覧会で、グレーとベージュ、繊細な2色の取り合わせのテキスタイルを見つけました。Åsa Pärson さんがちょうど会場にいらして、直接お話を伺うことが出来ました。
グレーの部分は単糸、ベージュの部分は双糸で織ったものだそうで、それを知ってから見つめると、糸の
ほんの少し青みがかったグレーとベージュの色合いが素敵で、パンを包むのにぴったりのクロスかと。
GENERAL STORE 展に並べた Objet#1 のセット用に長谷泉さんが製作した、どこかに木の皮が付いているヘラみたいな形の Objet。仕上がってきた日、セットを組む前に撮影しました。
ひとつひとつフォルムや木目が違っていて、いろいろなタイプを欲しくなってしまったので、せめて写真に記録しておくことに。
堀井和子
1丁目ほりい事務所
GENERAL STORE 展
[会場]CLASKA Gallery & Shop "DO" 本店(CLASKA 2F)
[会期]2019年11月16日(土)〜12月8日(日) 11:00〜18:30
堀井和子さん プロフィール
1954年、東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家としてレシピ本や、自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍、国内外の旅のエッセイなどを多数出版。2010年に「1丁目ほりい事務所」を立ち上げ、CLASKA Gallery & Shop “DO” と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行なっている。
2019年12月6日 公開
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