コラージュ・題字:堀井和子

堀井和子さんの
「いいもの、みつけました!」

堀井和子さんが日々の暮らしや街歩きの中で見つけた、いいもの、美しいものを報告してくださる連載。小麦粉のいい香りが画面から漂ってきそうです。

第81回:Pain des Philosophes のパン/フランスの田舎のパン

神楽坂の Pain des Philosophesパン・デ・フィロゾフ で、バゲットとリュスティック・ノワ、ヴィニユロン・ブランを買いました。

バゲットはフランス産の小麦粉とカナダ産の石臼挽きの小麦粉をブレンドして、長時間発酵させて焼き上げているそうです。

皮の歯ごたえ、中身の弾力が懐かしいタイプで、食べ飽きないおいしさ。

買った日の夕食に、鶏とキャベツ、じゃがいものスープ煮込といただき、残りは冷凍。後日、自然解凍してからオーヴンで少し温め、サヴォの赤ワインを飲みながら人参サラダとゆっくり楽しみました。冷凍すると買った日のおいしさにかなわないことが多いけれど、このバゲットは眠りから覚めたように生き生きとしておいしかったです。

リュスティック・ノワはしっとりブラウンのクルミ入りで、見た目よりあっさりめ、甘さの少ない生地。

ヴィニユロン・ブランはグリーンレーズン酵母を使った生地で、りんご、グリーンレーズン、クルミ入り。りんごやドライフルーツを白ワインで煮てありますが、シナモンなどのスパイスを使っていないので、甘さがあって爽やかな印象。パン生地の風味に力があって、具材が突出することなく絶妙に調和しているのです。

リュスティック・ノワのドライさとヴィニユロン・ブランの甘さが印象的で、次はどんなメニューと合わせようかと楽しみに。

平日の12時半頃、ちょうど焼き立てのクロワッサンがたくさん並んでいて、そのしっかりした焼き色、層の具合が見事でした。

次回、クロワッサンもぜひ味わってみたいです。

フランス南西部の田舎街のブーランジェリーで見つけた、ゴツゴツ素朴な薪焼のパン。こんなふうにしっかり外側を焼いてあると、中身の湿度や弾力が失われず、数日間おいしくいただけることを知りました。

リムーザン地方のマルシェのテーブルに並んでいた田舎パン。ルヴァン発酵で、クープの模様がとても美しい。

それにしても、こんな綺麗な赤いクロスの上に田舎パンなんて、美術館やギャラリーで絵を観るのと同じくらいドキドキしました。

堀井和子

堀井和子さん プロフィール

1954年、東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家としてレシピ本や、自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍、国内外の旅のエッセイなどを多数出版。2010年に「1丁目ほりい事務所」を立ち上げ、CLASKA Gallery & Shop “DO” と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行なっている。
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2019年10月4日 公開

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