私の愛用品 〜お守りみたいなもの〜

CLASKA のスタッフが自身の愛用品の魅力について語るちょっとしたコラム。
第26回は、吉祥寺の「にじ画廊」で開催されていた陶芸家の内山太朗さんと、同じく陶芸家の小菅幸子さんの二人展で購入したマグカップの話です。

第26回:きっかけになったマグカップ

マグカップ

もともと器にそこまで興味がなく、このマグカップを見つけた展示でも、はじめは作り手の内山太朗さんの器より、小菅幸子さんが作るブローチを見るのに夢中になっていました。でも、一緒に展示に来ていた当時まだ彼氏だった今の夫が、いつのまにかこのマグカップを買うと決めて手に持っていたのを見て、どうも気になったんです。

5,6年前は、まだ実家暮らしで自分の器を買う習慣がなかったので、彼の行動が新鮮に映り、強く印象に残りました。数日後、気になりすぎてもう一度行ってみると、まだ同じマグカップが残っていたので購入してみることに。その時、自分がこのマグカップでコーヒーを淹れているところを想像して、ワクワクしたんです。それがきっかけで、使っている姿や盛り付ける料理などを想像してから器を買うようになりました。

マグカップ

裏には内田太郎さんのイニシャルTとUが組み合わされたマークが彫られています。

持ってみると思いのほか軽いところが気に入っています。それでいて、持った時の安定感はしっかりあって容量もたっぷり入るから、なにか作業しながら飲む時にもちょうどいい。人の手で作られた温かみを感じられてほっとしますね。

マグカップ

柔らかさのあるフォルムや釉薬のゆらぎなど見た目もすごく気に入っているので、使うだけでなく、眺めるのも好きな愛用品です。自分で買った初めての器だから思い入れがあるし、器に興味が湧くきっかけにもなりました。当時と比べて器は増えたけれど、今でもずっとお気に入りのマグカップです。これからも大切にしていきたいですね。


(CLASKA Gallery & Shop “DO” たまプラーザ店 スタッフ 本山智世)

公開日 2021年11月12日
聞き手・写真・文 黒沢友凱

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