私の愛用品 〜お守りみたいなもの〜

CLASKA のスタッフが自身の愛用品の魅力について語るちょっとしたコラム。
第19回は、小学生の頃に買ってから、25年以上使っている竹製の30cm定規の話です。

第19回:使い続けてきた唯一無二な定規

定規

縫い物が好きで、小学生の頃は手芸クラブに入っていました。その時、布の長さを測ったり、型に沿って布を切る前の下書きをする時に使っていたのがこの定規。もともと算数の授業用に買ったのですが、使っていたのは主にクラブ活動の時間でした。

月日が流れ高校生になったある日、オーダーメイドのスカート専門店を営んでいる姉妹がテレビで特集されていて、私と同じ定規を使っているのを目にしたんです。それを見て「子どもの頃に使っていた道具を、大人になっても愛着を持って使い続けているなんて素敵だな」と思い、改めて「私も大切に使おう」と決めてから、気づけば25年以上経っていました。

定規

もともと貼っていた名前シールが剥がれてしまって、小学校5年生の頃に名前とクラスを書き直したもの。使っていたのは小学校低学年からです。

長すぎず、短すぎない長さは雑貨などのサイズを測るにはちょうど良く、使っていくうちにどんどん手に馴染んでいって、ちょっとした古道具感を感じるようになりました。メモリには数字が書かれてなく、5cmずつわかりやすい印が彫られているだけ。そんなシンプルで無駄のないデザインも好きですね。

落ち着いた色味なので部屋の景色に馴染み、うまく溶け込んでくれているところもお気に入り。今はリビングに置いてある花瓶に刺して飾っています。なにかサイズを測りたいものがある時はパッと手に取って、今でも変わらず私の日常に必要な道具として活躍してくれていますね。

定規

この定規は、きっと誰もが一度は持っていた経験があるごく一般的なものですが、今でも使い続けている自分にとっては特別感のある、唯一無二なものになりました。使うたびに手芸クラブで、ワクワクしながらものづくりをしていたことを思い出させる、私だけの大切な定規です。これからも気に入ったものは長く大事に使っていけるよう、心掛けたいと思います。


(CLASKA Gallery & Shop "DO" 渋谷ヒカリエ ShinQs店 スタッフ 岩城杏菜)

公開日 2021年9月24日
聞き手・写真・文 黒沢友凱