私の愛用品 〜お守りみたいなもの〜

CLASKA のスタッフが自身の愛用品の魅力について語るちょっとしたコラム。
第6回はアメリカのブランド「パイレックス」が作るビンテージプレートの話です。

第6回:量産品の魅力に気づいたビンテージプレート

「パイレックス」のビンテージプレート

学生の頃、欧米のデザインに憧れを抱いていて、アメリカの古い物が好きでした。海外旅行、特にハワイに行くたびに食器やTシャツ、レコードの掘り出し物を探して、「スリフトショップ」と言われるリサイクルショップを何軒も回って買い物をしていました。

このお皿はハワイで見つけた物。アメリカのランチプレートのように、1皿にご飯、おかず、サラダと、すべてを乗せて食べるワンプレートとして使っていて、買ってから20年ほど経った今でも朝ご飯の時に愛用しています。

「パイレックス」のビンテージプレート

裏にはブランドのエンブレムとこのお皿のシリーズ名「double tough」の文字が刻印されている。

耐熱ガラスで冷凍も出来る優れ物。頑丈で、一度も割れたことがありません。「ファイヤーキング」が特に有名ですが、1940年代ごろから、このような高品質なガラス食器がアメリカで普及して、業務用レストランウェアや家庭用のテーブルウェアとして、量産されました。このパイレックスも、そういったものの1つです。

今は手仕事で作られた物や一点物の方が魅力的に映ることが多いと思うし、僕自身も大切に使っているものがいくつもあるけれど、量産品(プロダクト)にもそれらに負けない魅力があると思っています。

「パイレックス」のビンテージプレート

量産品として作られたものには、何かしらの理由があると思うし、消費されていく物であるとはいえ、捨てられずに使われていれば、またリサイクルショップに並んで誰かの手に渡ることもある。

そうやって残っていくものに僕は魅力を感じます。そこには必ずなにか理由があると思うので。振り返ってみると、そうやってアメリカの食器を集めているうちに日用品・プロダクトの魅力に惹かれるようになって、北欧雑貨や他の食器にも興味が出て、結果的に今の仕事にもつながっているんです。


(「CLASKA Gallery & Shop "DO"」商品企画・デザイン担当 福島仁)

公開日 2021年6月25日
聞き手・写真・文 黒沢友凱