

堀井和子さんの「いいもの、好きなもの」
写真・文:堀井和子
表参道のカフェの前で、ハクセキレイを見かけました。
画面左上のあたりを歩いているのですが、近寄って、ちゃんと姿を写せなくて残念でした。
ハクセキレイは、建物のコンクリートの縁を軽快にジャンプ移動していたり、公園の芝生の上をかなりのスピードで走り抜けたりする様子を見ては、その動きかた、好きだなぁと思っています。
カフェの外のガーデンチェア、座っている人はまだいない時間に、ハクセキレイは1羽だけでやって来て、でも、何だか楽しそうでした。

先月 GALLERY CLASKA で開かれた、フィリップ・ワイズベッカーさんの 「View Point」 展で買った 「DIARY」 。
ワイズベッカーさんが、2014年から2024年にかけて書き溜めたオブジェの日記を、1冊にまとめたものだそう。
ザラッとしたグレイッシュな紙、鉛筆の線、全部大文字のアルファベットの記述 ── 日記のページをめくる感じが素敵な、作品集の形ですね。
1-31 モロッコからパリにトマトを運搬するために使ったカゴ
10-18-19 石膏の靴 (写真は見開きと、右側にケース)
この2点にも魅かれましたが、7-14 神戸の小さくてかわいいベージュの車が気になってしかたがありません。
小さいとあるので、シトロエンなどではなく、国産車かなぁ。 旧車でしょうか。
BSテレビで旧車を紹介する番組はよく観ていて、昔のデザインの車は、乘らなくても間近で見ていたいという気持ちが、時折ふと湧いたりします。
松林誠さんの 「森のはじまり」 展は、清澄白河のハオス&テラスギャラリーのオープニングでした。
清澄庭園の樹々をガラス越しに見ることのできる、建物の2階、3階部分に展示されていました。
作品の中に、画布の厚みの部分を黄色に塗ったものがあって、それがとても粋に感じられました。
このところ録画して毎回観ているのが、NHK BS “弾丸!空港トンボがえりツアー”。
番組ディレクターが世界各地の飛行場を訪ね、1泊して帰るまでの時間、飛行場の周りを探索する内容です。
第1回ネパール テンジン・ヒラリー空港は、高地で500mしかない滑走路に着陸するところも、険しい山合いへ離陸するところも、臨場感が。
地元の人、空港職員の人たちとのやりとりも、懐かしいようなよい雰囲気で、その土地の空気が自然に伝わってきました。
1機は赤とブルー、もう1機は緑のロゴの小型飛行機、デザインがシンプルで美しく、何より幾度も着地、離陸する様子を見ることができて、嬉しかったです。
私は飛行機に乗るのは苦手ですが、見るのは好きなので。
その後の、イギリス領ジブラルタル空港、モンゴル チンギスハーン空港も面白かったけれど、自然の森、山、海に囲まれたベトナム コンダオ空港の回が、印象的で行ってみたくなりました。
Profile
堀井和子 Kazuko Horii
東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家として、レシピ本や自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍や旅のエッセイなどを多数出版。2010年から「1丁目ほりい事務所」名義でものづくりに取り組み、CLASKA Gallery & Shop "DO" と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行う。
CLASKA ONLINE SHOP でのこれまでの連載
> 堀井和子さんの「いいもの」のファイル (*CLASKA発のWEBマガジン「OIL MAGAZINE」リンクします)
> 堀井和子さんの「いいもの、みつけました!」
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