

堀井和子さんの「いいもの、好きなもの」
写真・文:堀井和子

青山学院のあたりを歩いていて見つけた、和菓子のお店 “青柳” 。
気に入ってよく買い求めるのが、きな粉のお団子と、こし餡の大福です。
お団子は柔らかでのびやかな口あたり、きな粉は上品な香ばしい香りで、少しきかせた塩味が何とも粋。
大福は、こし餡の方は豆が入っていなくて、つぶ餡の方は豆入りで、小ぶりに作ってあります。
素直な直球勝負の美味しさが嬉しい。
最近、街の和菓子のお店が減ってきたような気がします。
季節の和菓子を食べたい時はデパートに行きますが、何だか違うのです。
普段のおやつに味わいたいのは、こういう和菓子なんだなぁと、しみじみ思います。

7月に入ってテーブルクロスを掛け替えました。
vuokko nurmesniemi さんがデザインした “VAKO-64” のテキスタイルは、しっかりコクのある茶色と白の大胆なストライプ柄。
vuokko さんの幾何柄はすごく潔くてカッコいい。
毎日の夕ごはんを日記代わりに撮影していますが、テーブルクロスは、白っぽい地色のクロスより、しっかりコクのある濃いブルーや濃いグレー、濃い茶色がお薦めです。
上にのせた料理が、ぐっと美味しそうに写りますし、何か飛んでもシミが気になりにくいので寛げます。

先月末、星耕硝子の仕事展に伺って購入した片口硝子器。
お店に入って、ガラスケースに置かれたこの器を見た瞬間に、これが好きだなぁ、これを買ってしまうだろうなぁと思いました。
同じフォルムの器がいくつかあって、他の器も目に入っているはずなのですが、魅きつけられる強さが全く違っているのです。
同じようなフォルム、色合いでも、ひとつひとつ持っている雰囲気やニュアンスが違っていて、その中に、自分が好きだなぁ、大事だなぁと思う点が、ぴたっと一致するものを見つける ── 展覧会へ行く楽しみって、こういう出合いなのかもしれません。
最初にこれと選んでも、お店を2〜3周して他の作品もじっと見つめますが、選ぶものが変わることは、ほとんどないかなぁ。
底のガラスの厚みに光が集められた時の美しさ、底から口へ自然に広がっていく勾配。
テーブルの上に置いて、ずっと見入ってしまう片口です。
他に、極くシンプルな小さいグラスを2点選びました。
星耕硝子の伊藤嘉輝さんの器は、日本のガラスの澄んだ温かさを伝えてくれます。
外苑前の STEINWAY 前に咲いていた、7月後半の紫陽花の仲間。
淡い緑がかった白い花は、ヤマアジサイでしょうか、ガクアジサイでしょうか。
7月後半は、水色や青紫ではなく、こんな色合いの花が素敵に感じられます。
Profile
堀井和子 Kazuko Horii
東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家として、レシピ本や自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍や旅のエッセイなどを多数出版。2010年から「1丁目ほりい事務所」名義でものづくりに取り組み、CLASKA Gallery & Shop "DO" と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行う。
CLASKA ONLINE SHOP でのこれまでの連載
> 堀井和子さんの「いいもの」のファイル (*CLASKA発のWEBマガジン「OIL MAGAZINE」リンクします)
> 堀井和子さんの「いいもの、みつけました!」
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