

堀井和子さんの「いいもの、好きなもの」
写真・文:堀井和子

散歩の途中で見つけたタンポポ。
白くて丸い綿毛が一列に並んでいて、バックのコンクリートの壁によく合っていました。
光の加減で壁のグレーが銀色に見えて、日本画の銀屏風のようでした。

“iii + ka のおもちゃ箱展” を来月に控え、自動車やトラック、クレーン車などが仕上がってきました。
連載第30回 で途中の様子を撮影した 「クーペと呼んでいる1台」 は、タイヤを付け、車体をオフホワイトに塗ってあります。
クーペは、私がアメリカに住んでいる頃乗っていた SUBARU の車をイメージして、アウトラインを私が描き、長谷泉さんがフォルムを工夫して立体に。
裏側を見ると、3層に板を貼り合わせて、おっとりしたカーヴを表現しているのがわかります。
小さいサンルーフの後方部分だけが斜めに開くチルトアップスタイルで 4WD、ナビゲーターシステムがまだない頃でしたから、地図を広げて助手席に置き、40〜50分のドライブで、友人の家を訪ねたことを思い出します。
隅々まで大好きな車でした。

こちらは Mini をイメージした車。
新緑の郊外をドライブしたら素敵かなぁと考えて、白く残した道路の両サイドに明るい緑の紙片をコラージュした背景で、2台を撮影しました。
Mini は朱赤っぽい赤の他に、ラズベリーっぽい赤と、やや大きめでオフホワイトの白のラインナップです。

車に添えるために制作した2つ折カード。
以前の CAHIER のカバー部分を利用しました。
車の形を切り抜いてカードに貼った状態では、様になっていない感じですが、鉛筆でタイヤを描いた瞬間に、生き生きとして元気に走る車に見えて、その作業が何だか嬉しかったです。

スイスの玩具をお手本にして、例えば口は描かずに目だけというふうに、ぐっとシンプルなデザインに作った、鼻先の長いブタ。
耳と尻尾はブラウンの革を使っています。
シナの木のかたまりから、このフォルムを切り出し、なだらかな曲面になるように削ってサンドする仕上げかたです。 それぞれ違う表情に見えるかと。
経年変化で白木が落ち着いた色合いになった頃も、かわいいだろうなぁ。

今回のクリアバッグ、大きいサイズは、軽飛行機、自動車、スクールバス、トラック、おもちゃ箱と、手描き文字を並べたデザインで、黒と白を作りました。
小さいサイズもあって、小さい車1台と、細い手描き文のデザインです。
Profile
堀井和子 Kazuko Horii
東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家として、レシピ本や自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍や旅のエッセイなどを多数出版。2010年から「1丁目ほりい事務所」名義でものづくりに取り組み、CLASKA Gallery & Shop "DO" と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行う。
CLASKA ONLINE SHOP でのこれまでの連載
> 堀井和子さんの「いいもの」のファイル (*CLASKA発のWEBマガジン「OIL MAGAZINE」リンクします)
> 堀井和子さんの「いいもの、みつけました!」
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