

HAUのたね
写真・文:藁谷真生(HAU デザイナー) イラスト・挿絵:natsume
2月の受験シーズンが終わり、春を迎えるこの時期。
我が家にもこの一ヶ月は独特の緊張感が漂っていました。
塾から帰ってきてもまだ机に向かう長女の姿。
気づくと自分よりも小さかったはずだったその背中はいつしか凛として、どこか頼もしく見えるようになってきました。
何より彼女自身で選んだ道に向かって突き進む静かな情熱。
それに比べて何もできない私はもどかしさを抱えながらも、ただただ健康管理のことを考え、お弁当や食事を準備する毎日。
模試の結果どうだった? 〇〇ちゃんは? …… 余計なことを口にしなければいいと分かっていても、つい気になって探るような言葉が出てしまう自分が情けなくなることも。
そんな時に閃いたのが、お迎えの車内で敢えて大音量で好きなアーティストの音楽を2人で大熱唱すること。
これが大正解!
こっそり相談したオープンチャット AI の、「外で頑張っている娘さん、せめて家の中だけは安心できる場所に」というあたりまえのようで気づかなかった言葉に、ハッとさせられることも。
音楽に助けられ、AIに背中を押されながらもなんとか駆け抜けた2月。
終わってみれば、苦しさよりも尊さと希望で満ち溢れた、かけがえのない時間だったな〜と感じています。
写真は、もうすぐ公開となる āta の春夏のビジュアル撮影中の一コマ。 大好きな方たちとのクリエーションの時間は、この時期の心の支えになりました。
朝の光の中で植物と向き合う。
そんな穏やかな時間をイメージして作った、新作のオーバーオール。
素材は、デニムの産地・岡山で開発された 「雲斎織 (うんさいおり)」 という生地を使用。
柔道着にも使われるほど丈夫な素材で、素朴な表情と、日常のどんな動きにも耐えるタフな雰囲気が魅力です。
本来はワークウェアとしての機能が強いアイテムですが、ボタン開きの V ネック、そして肩ベルトではなく 「ノースリーブ」 にすることで、女性らしさをほんのりと。
デザイン性のあるナチュラルな雰囲気の一着に仕上がりました。
今回は、インナーに清々しいレモンイエローが映える knit tops "homme" を合わせてみました。
このニットはコットンでありながらも少し光沢感があるため、カジュアルなオーバーオールを上品なコーディネートに仕上げてくれる効果もあり、シンプルながら信頼できる HAU の定番アイテムです。
一方で、中に襟付きのシャツを忍ばせれば、少しマニッシュな印象にも◎
合わせるインナー次第で、ガラリと表情を変えてくれるのがオーバーオールの魅力ですよね。
春らしい元気の出る色は、気持ちまでパッと明るくしてくれる。
実用性とおしゃれを兼ね備えたこの組み合わせは、活動的なシーンから、春のお出かけまで幅広く活躍してくれそうです!
インナーにブラックのニットを重ねたダークトーンの組み合わせ。 こんなさらっとした無骨なコーディネートもかっこいい。
カラーはアイボリーとチャコールの2色をご用意してます。
インナーには、 knit tops "homme" の新色、レモンイエローを。 明るい色合わせで気持ちも軽やかに!
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◎ overalls "boer"(近日発売予定)
◎ knit tops "homme"
◎ ALWEATHER RF / ブラック
*商品名を掲載しているアイテム以外は、すべて私物です。

Profile
藁谷真生 Mao Waragai
デザイナー。1981年、東京生まれ。エスモード・ジャポンを卒業後、アパレルメーカーにて約8年にわたり数ブランドのデザインを担当。2011年、自身のブランド「BLANKET(ブランケット)」を設立。2019年より、CLASKA発のアパレルブランド「HAU(ハウ)」のデザイナーを務める。コンセプトは「大人のための日常着」。「HAU」は、ポリネシア諸語のひとつであるマオリ語で、「風、呼吸、生命力」などを意味する言葉。
Instagram @hau_clothes
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