

HAUのたね
写真・文:藁谷真生(HAU デザイナー) イラスト・挿絵:natsume
突然ですが、私は個人店が大好きです。
夫がお店を営んでいることもあり、15歳の娘も大手チェーン店より、知る人ぞ知るこぢんまりとしたお店に惹かれるようです、笑。
そんな私の周りでは、昨年嬉しいオープンラッシュが続き、写真は、そのうちの一つである夫の知人のカフェです。
都心のパン屋さんから郊外へ移転して数か月、ようやく伺うことができました。
そのお店は団地の敷地内にあって、目の前の広場にはたくさんのベンチが。
(異様な数とも言えます!)
驚いて理由を尋ねてみると、店主の方が嬉しそうに、「ここは通学路で、放課後には子供たちが宿題をしたり遊んだり、お年寄りが犬の散歩のついでに一休みしたり。 みんなの憩いの場になってるんですよ!」と、その光景を愛おしそうに語る表情が何よりも印象的でした。
そのうちに小学5年生の女子数人グループが、宿題やってもいいですか?とお客さんとしてお店を訪れ、コーヒーをオーダーしてくれたとか?!
個人店ならではの人と人が緩やかに繋がっていくストーリーになんだか心が温まり、そんな場所があるだけで、嬉しくなったり。
私も服をとおして着ていただく方の日常に寄り添える存在になれたら... そして、誰かの「お気に入り」の一部になれるもの作りをこれからも続けていきたいなと思いました。
閉店間際に行ったので残念ながら食べ物は売り切れ...。でもスヌーピーのマグカップで頂いたホットチャイはとても美味しく優しい味でした。
今季の新作のセットアップは、「リラックス感のあるフォーマル」がテーマ。
肩肘張らない “いつもの私” でいられることを何よりも大切にしながら、実際にかしこまったシーンに馴染む装いをイメージしながらデザインしました。
ポイントは特別な日だけで終わらず、まるでユニフォームのような飽きのこない佇まいと、クローゼットから気軽に手に取りたくなるようなシンプルなデザイン。
大人になった今、日常にもフォーマルにも馴染む「究極の日常着」としてのセットアップがカタチになりました。
こだわりは浜松の機屋さんと作り上げた、布帛でありながらもまるでカットソーのようなストレッチ性を感じる生地です。
伸びやかな素材が、着る人の体型に寄り添い、長時間の式典でも疲れにくい着心地を実現。
きちんとした場面でも、普段と変わらない動きやすさは私の中で大切にしたいポイントでもありました。
今回は、インナーに新作の blouse "little tuck" を合わせて少し華やかなオケージョンスタイルをご提案。
首元にリボンがあしらわれているブラウスはネックレスなしでもOKな便利な一枚。
カジュアルに着たい時は Tシャツやクルーネックニットを合わせれば、気兼ねないデイリースタイルにもなります。
合わせるインナー次第で 「フォーマル」 と 「ラフ」 を自由に行き来するセットアップは、是非普段の装いにも取り入れて頂きたいアイテムです。
ジャケットはどんなインナーも馴染みやすく、開けてきてもサマになるVネックに。 リボンは長めに垂らすのがポイントです。
オケージョンの枠を超え、ほんのりモードな印象にもなるよう意識して作りました。
ジャケットには、スマートフォンやハンカチなどを収納できる大きめのポケットを◎
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◎ pants "jongen"(1月後半発売予定)
◎ blouse "little tuck"(1月後半発売予定)
*商品名を掲載しているアイテム以外は、すべて私物です。

Profile
藁谷真生 Mao Waragai
デザイナー。1981年、東京生まれ。エスモード・ジャポンを卒業後、アパレルメーカーにて約8年にわたり数ブランドのデザインを担当。2011年、自身のブランド「BLANKET(ブランケット)」を設立。2019年より、CLASKA発のアパレルブランド「HAU(ハウ)」のデザイナーを務める。コンセプトは「大人のための日常着」。「HAU」は、ポリネシア諸語のひとつであるマオリ語で、「風、呼吸、生命力」などを意味する言葉。
Instagram @hau_clothes
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