HAUのたね

Vol.23 クローゼットの見直し/小さなお袖のついたニットベスト

写真・文:藁谷真生(HAU デザイナー) イラスト・挿絵:natsume


勝手に見直しシリーズ第三弾は、構想一年でやっと重い腰をあげて着手したクローゼットについて。

お恥ずかしながら見えない部分の収納があまり得意ではない私は、今まで洋服の収納をたたみメインで保管していました。(和室で押入れということもあり。)たたみメインになると、収納ボックスの下の方のものが見えず、且つシワになりやすい為アイロンの出番も増えたりと、分かってはいるもののとても非効率的...。ラックはとりあえず簡易的なものをと、気付けば引っ越しから7年も経っていました。

夫婦共々洋服が好きなので服の量はそれなりに年々増え、もう少し効率よく収納できないものかとネットや動画(こんまり含めて、笑。)で勉強を繰り返し、一年かけて検討した結果、押入れ部分をベースだけ大工さんに整えてもらい、後はラックや棚は自分たちで好きなサイズや位置にDIYをすることにしました。何度もシュミレーションを繰り返したお陰で、夫婦それぞれにフィットしたオリジナルの収納スペースが完成。服の場所が一目瞭然になり、朝の支度がスムーズになっただけでなく、以前よりも一点一点の服への愛着が湧いてきました。

気付けばそろそろ年末に。ということで、今年の大掃除はあれこれ頑張らず、今回のクローゼット改造で一先ず良しにしようと思います。

半袖ものはボックスごと棚の上に。 ラックの下にはセーターのボックスを置いているので、衣替えはボックスを交換するのみ。

小さなお袖が愛らしいニットベスト

羽のような、小さなフレアー袖がちょこんとついた可愛らしいかたちの前あきベストです。
パンツ、スカート、ワンピース。どんなスタイルにもラフに重ねるだけでちょっと新鮮で華やかな印象になるベストを作りたくてデザインしました。

今回は、knit tops "forme" と skirt "organic biera"、どちらもブラックとネイビー、ダークな色味の上下にこのベストを重ねてみました。敢えて対局の色であるアイボリーを重ねることで明るさと温かみのあるコーディネートが完成。靴下の色もベストと合わせて白のウールソックスをタイツの上から重ねました。

フロント部分はあえてボタン開きのないタイプなので、ボリュームのあるスカートと合わせてもバランスよく着用できます。糸は英国羊毛が配合されたメリノウールを採用。軽くてソフトな風合いと膨らみ感が特徴で、保温性にも優れています。お出かけにはもちろん、お家の中で少し肌寒くなったときにサッと羽織るのにも便利な一着です。

色はアイボリーとチャコールの2色展開。 袖はややフレアーです。

コントラにストのある組み合わせでキリッと。 インナーは knit tops "forme" にブラックを。

ベストは丈がやや長めの作りで腰回りもあったか◎

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knit vest "petit sleeve"
knit tops "forme"
skirt "organic biera"

*商品名を掲載しているアイテム以外は、すべて私物です。


Profile
藁谷真生 Mao Waragai

デザイナー。1981年、東京生まれ。エスモード・ジャポンを卒業後、アパレルメーカーにて約8年にわたり数ブランドのデザインを担当。2011年、自身のブランド「BLANKET(ブランケット)」を設立。2019年より、CLASKA発のアパレルブランド「HAU(ハウ)」のデザイナーを務める。コンセプトは「大人のための日常着」。「HAU」は、ポリネシア諸語のひとつであるマオリ語で、「風、呼吸、生命力」などを意味する言葉。
Instagram @hau_clothes