HAUのたね

Vol.25 14歳のクリスマスケーキ/ふんわりと柔らかなノーカラーのジャケットコート

写真・文:藁谷真生(HAU デザイナー) イラスト・挿絵:natsume


いよいよ2023年もあと4日。クリスマスにお正月にと一年で一番気持ちがざわざわとする時期ですね。

さて、皆さん先日のクリスマスはどのように過ごされましたか? 我が家は親戚一同が実家に集まっての大クリスマスパーティー。一足早くお正月のような気分を味わう傍ら、日本人はなんて欲張りなんだろう...と考えてみたり。それはさておき、今回のケーキは兼ねてからオーダーしてみたかった知り合いの子に頼んで作ってもらいました。

なんと彼女は SNS や知り合いからのオーダーでケーキを作っている14歳の中学2年生。ただのケーキではなく乳製品、卵、小麦、植物性食材、白砂糖不使用でビーガンの方でも食べられるロースイーツケーキ。数年前まで同じマンションに住んでいた彼女がこの活動を始めたと聞いたとき、中学2年生でこの意識の高さにびっくりしたのと、子供の頃から自然と社会とのつながりを持てるデジタルネイティブ世代のしなやかさに未来を感じる瞬間でもありました。

今回はクリスマスの特別メニューでラズベリーチョコケーキをオーダー。大人顔負けの味と、彼女を応援したい気持ちで心がじんわりと満たされた温かいクリスマスパーティーとなりました。

デコレーションにはドライフルーツやハーブ、ナッツが散りばめられてました。 添えてあった絵手紙が中学生らしくてかわいらしいです◎

かっちりしすぎない柔らかなジャケットコート

今年最後にご紹介するアイテムは、どんな装いでも上品にまとまる柔らかい手触りが特徴のノーカラージャケットです。かっちりとしたジャケットはちょっと苦手...。でもシンプルで肩肘張らずに着られるきちんと感のあるジャケットは欲しい...。それでいてコートのような防寒機能もあったらもっといいな。そんな想いから生まれたのが堅苦しさを感じさせないふんわりとしたシルエットのジャケットコートです。

ポイントは、裾が自由に広がるシルエット。ボリューム感のあるスカートやワンピースの上からでも窮屈感なく着用頂けるので、コーディネートの幅も広がります。今回は、ちょっと華やかさのあるユニークなゴールドのブローチをアクセントに、年末年始の“お呼ばれ”を イメージした組み合わせを考えてみました。グレーの色味はセージをイメージしたオリジナルカラー。全体を淡いトーンで合わせれば、春先まで違和感なく活躍してくれそうです。

今年は数年ぶりに気負いなく大勢で集まれる賑やかな年末年始になりそうですね。シチュエーションに合った装いを楽しみながら良いお年をお過ごしくださいませ。

そして今年一年、連載「HAUのたね」にお付き合いいただきありがとうございました!

skirt "organic biera" のアイボリーを合わせた、 コントラストの優しい組み合わせ。

色はセージグレーとブラックの2色です。

セーターを中に着てもゆったりとしたサイズ感が嬉しい。

<< 今回紹介したアイテム >>
jacket coat "mofu"
skirt "organic biera"
gungulparman / [TRAP] スパンコール / oval(ブローチ) ゴールド

*商品名を掲載しているアイテム以外は、すべて私物です。


Profile
藁谷真生 Mao Waragai

デザイナー。1981年、東京生まれ。エスモード・ジャポンを卒業後、アパレルメーカーにて約8年にわたり数ブランドのデザインを担当。2011年、自身のブランド「BLANKET(ブランケット)」を設立。2019年より、CLASKA発のアパレルブランド「HAU(ハウ)」のデザイナーを務める。コンセプトは「大人のための日常着」。「HAU」は、ポリネシア諸語のひとつであるマオリ語で、「風、呼吸、生命力」などを意味する言葉。
Instagram @hau_clothes