模様と色使いが美しい、伊万里・鍋島焼窯元の文三窯による楕円鉢です。
こちらの染錦黄濃丸紋は、CLASKA Gallery & Shop "DO" のオーダーで描いていただいたセミオリジナル。
伊万里焼の伝統を受け継ぎながらも、現代的な軽やかさと愛らしさを持った器です。
家族で囲む食卓の中心に、おもてなしの席に。ギフトにもおすすめです。
「雅」と「かわいさ」が同居する穏やかな色絵磁器
大熊健郎
『Discover Japan』（�判佝納辧�Vol.40「いま使いたい、ニッポンのいいもの」より
繊細で柔らかな色絵が魅力的な鉢。伊万里、大川内山にある文三窯のうつわである。「秘窯の里」ともいわれる大川内山は、日本で最初に磁器を完成させたといわれている鍋島藩の御用窯があった地。「鍋島」といえば将軍家や大名への献上品など御用職人がつくる高級色絵磁器である。明治初期の廃藩置県により一旦は途絶えたが、後に近代工芸として復興し、現在も数多くの窯元が風情のある石畳が続く通りに軒を連ねている。
元は薬屋を家業にしていたという三宅家が文三窯として開窯したのは大正期。戦前はもっぱら置物中心だったそうだが、戦後になり青磁染付や古伊万里を手本にした日常使いのうつわをつくるようになった。「伝統的技法や様式を用いながらも、時代時代に合ったものを模索しながらつくってきた」とは現在の窯主である三宅求さんの言葉だ。
線や色のバランスが醸し出す穏やかな品のよさは、文三窯ならではのもの。伝統的な表情の中に見られる現代性が、暮らしの中にさりげなく日本的な雅とかわいらしさをもたらしてくれる、そんなうつわである。
CLASKA Gallery & Shop "DO" ディレクター大熊健郎
『Discover Japan』（�判佝納辧�Vol.40「いま使いたい、ニッポンのいいもの」より