身近で素朴な山野草や雑草と呼ばれる草、樹木の美しさを伝える活動をしている榊麻美植物研究所の榊さんから、盆栽と暮らす日常の愉しみを教わります。
暦の上では「小暑」をすぎ、夏の暑さが日に日に増す季節になりました。植物も活発に動き、お水やりの頻度も多くなってきているのではないでしょうか?
そんな暑い夏に、もっともよく聞かれることが「お出かけ時の水やりのこと」。今回は、その方法についてお話します。
外出時の水やりについては、特にこの夏の季節が一番難しい時期と言えます。盆栽を育てている方ならば、おわかりのように夏は毎日最低1回はお水やりが必要なほど乾きが早い時期。1日忘れてしまっただけでも、葉がカラカラになってしまうことがあるのです。
ではどうすればいいのか?
3〜4日の外出であれば「腰水」という方法で凌ぐことができます。
方法としては、まず写真のようにバットなどにお水を鉢の3分の1ほど入れます。
重要なのは、置き場所。以下のポイントを必ずクリアする場所に置いてあげましょう。
1. 室内ではなく、必ず屋外に置くこと
2. 風通しがあり、日光の当たらない場所であること
※日光が当たると、水がお湯に変わってしまい、根腐れなどから植物が弱ってしまうことがあります。
日陰がない場合は、リンゴ箱などの木箱に入れるなどし、日差しを遮断できる環境を作りましょう。
冬の場合は、屋外ですと凍結してしまうので室内に取り込みましょう。
とはいえ、人間の目の届くところで管理してあげることに越したことはありません。
ご近所やご家族、ご友人などでお任せできる方がいれば、お水やりの方法を伝えて預けることや、いっその事一緒にお出かけしてしまうという手もあります。
お預けした方への、手土産もお忘れなく。
榊 麻美
1980年 静岡県生まれ。アパレル業を経て、塩津丈洋氏に師事し植物の世界へ。2016年春、独立。榊麻美植物研究所を立ち上げる。7月23日(日) うぐいすと穀雨(東京都豊島区)で「野葡萄のワークショップ」開催。
sakakiasami.com
2017年7月8日 公開