暮らしの中にある名品の、知られざる良さを掘り下げていく名品図鑑。毎月一品公開。
写真:本多康司 文・編集:島田奈津子
空 間にすっと溶け込み、静かな美しさを放つカレンダー。 それでいて、一度使ったらまた来年も…と思わずにはいられない、葛西薫カレンダー。
葛西薫さんといえば、広告やパッケージデザインなどで活躍するアートディレクター。 そんな葛西さんがデザインするカレンダー、長年の人気の理由はずばり、控えめな美しさと、使いやすさ。 「なんだ、そんなことか…」 とお思いの方もいるかもしれないが、これこそ、カレンダーにおいて最も大切なこと。 洗練された明朝体、考え抜かれた余白、美しい罫線など、細部に宿る一つ一つのこだわりが集まり、このカレンダーとなっている。 ちなみに、カレンダーの数字や罫線は黒ではなく紺色。 そこには 「カレンダーは毎日眺めるものだから、目に優しいものに」 という葛西さんの思いも隠れている。
ところでこちらのカレンダー、ハンガー仕様の少々変わったつくりだ。
構成するのは、6枚の厚紙と中央が飛び出したステンレスのハンガー。 1月が終わったら反対向きにすると、2月が登場。 2月が終わったら、厚紙をハンガーから外すことで、 3月4月分が登場する。 12月までこれを続けることで、毎回、くたっとすることなく、美しい状態の新しい月が現れる。 シンプルで無駄のない「Kハンガー」も、もちろん葛西さんのデザインだ。
新しい一カ月を、いつでもまっさらな気持ちではじめられる 葛西薫カレンダー。 毎日、毎月、毎年、暮らしに寄り添ってくれる名品だ。
⇒ ANDO GALLERY : プロデューサー安東孝一が 1984年に 設立。 アート・建築・デザインのプロデュース、 ANDO’S GLASS や ANDO GALLERY DIARY などのオリジナルプロダクトの企画も行う。
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ANDO GALLERY | 葛西薫カレンダー
1,540円
本体:紙、ステンレス
製造:日本
サイズ:縦30(ハンガー込み33.2)×横40.7cm A3サイズ
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