HAUのたね

Vol.28 日本の神話/白いリネンのワンピース

写真・文:藁谷真生(HAU デザイナー) イラスト・挿絵:natsume


最近、私の周りで古事記について学んでいる友人がちらほらと。そんな中、つい先日図書館に行ってみるとタイムリーにも古事記の本を紹介しているコーナーがあったので、何々?!と見てみると、小難しい本の中に色彩の綺麗な表紙の絵本を発見。

すでにご存知の方もいると思いますが、こちらは幅広い分野で活躍中のフランス人、ポールコックス氏がイラストを手掛けた日本の神話絵本。目にしたことはあったのですが、まさか古事記のお話しの本とは結び付かず、これをきっかけにシリーズで数冊借りてみました。おぞましい内容にも関わらず、ポールコックスならではのユーモアのあるイラストとオリエンタルな色彩、そして絵本ならではのやさしい言葉が響き合い、大人でも充分に楽しめる一冊。

まずはどんな内容かと一人で読んでいたところ、次女が近づいてきては「やまたのおろち」知ってるよ!と、一言。どうしてかと尋ねてみると、ドラえもんでこのお話しが出てきたそうで、早速動画を見ながら絵本を資料がわりに照らし合わせてご丁寧に解説スタート、笑。

まだまだ知らない日本のこと、大人になった今だからこそ自分なりのペースと方法で少しずつ学びを深められれば良いなと思っています。

ポールコックスが描くと神話に出てくる男性もどこか妖艶な雰囲気に◎

春が待ち遠しくなる白いリネンのワンピース

細かなピンタックが前後に入った贅沢なマキシ丈のリネンワンピース。インドの工場で手作業によって織られた生地は、手織りだからこそ生まれる柔らかで繊細な風合いが特徴です。

そんなリネンの生地をたっぷりと使ったワンピースは着丈120cmと一枚で存在感のあるかぶりタイプのマキシ丈。朝の忙しい時間でもコーディネートに悩むことなくサッと装いが決まる点も嬉しいポイントです。袖口部分の配色は、通称「耳」と言われる生地の両端を使用したもの。生地を無駄なく活かすことを考えた結果、環境にも優しいデザインが生まれました。
また、袖丈が長い方は是非袖を折って着てみて下さい。マキシ丈の場合、私のように身長が低くめの方は袖をまくるだけでグッと全体のバランスが良く見えますよ。

今回はまだまだ寒いので、タートルネックのインナーとデニムパンツを重ねて見ました。(私の身長だとデニムは1ミリも見えませんが...)さらにその上から中綿ベストの inner warm vest "cloud" を羽織れば春の気分を取り入れつつ防寒対策にもなる温かなコーディネートが完成! こちらのベストをお持ちの方は是非組合わせてみて下さいね。

色はホワイトと、スミクロに近いブラックも作りました。

マキシ丈ですが、素材が軽やかなため重さは感じさせません。

中綿ベストを羽織ると少し活動的な雰囲気になります。

<< 今回紹介したアイテム >>
one piece "linen pin tuck"
denim pants "tapered"
◎ inner warm vest "cloud"(SOLD OUT)

*商品名を掲載しているアイテム以外は、すべて私物です。


Profile
藁谷真生 Mao Waragai

デザイナー。1981年、東京生まれ。エスモード・ジャポンを卒業後、アパレルメーカーにて約8年にわたり数ブランドのデザインを担当。2011年、自身のブランド「BLANKET(ブランケット)」を設立。2019年より、CLASKA発のアパレルブランド「HAU(ハウ)」のデザイナーを務める。コンセプトは「大人のための日常着」。「HAU」は、ポリネシア諸語のひとつであるマオリ語で、「風、呼吸、生命力」などを意味する言葉。
Instagram @hau_clothes