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CLASKA Restaurant "kiokuh" シェフ 湯澤秀充の

今夜飲みたい日本ワイン、一緒に食べたいこの3皿

日本の四季折々の味覚を盛り込んだ軽やかで美しい
フレンチベースの料理を楽しめる CLASKA Restaurant "kiokuh"(キオク)。
季節ごとに変わるコース料理が好評ですが、実はアラカルトも精鋭揃い。
そして、ワインセラーにはマニア垂涎の日本ワインがずらり。
本連載では、毎回1本の日本ワインをチョイスし、
共に味わいたいアラカルト料理3品を
アミューズ・前菜・メインのコース仕立てで紹介。
kiokuh のツウな楽しみ方、提案します。

 

第14回:山梨発の赤ワインと共に。秋、優しさの競演。

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今回のワイン

「ソール」(ドメーヌ ヒデ)/山梨県

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Profile
CLASKA Restaurant "kiokuh" シェフ
湯澤秀充(ゆざわ・ひでみつ)


1981年東京都生まれ。料理学校を卒業後、都内でフランス料理とスペイン料理を学び26歳で単身渡仏。ミシュラン1つ星 "Le Jardin des Remparts" にて外国人初となる肉料理のセクションシェフを務める傍ら、デザートやパンなども手掛ける。2年間をブルゴーニュ地方で過ごした後帰国。ミシュラン2つ星の銀座 "Beige Alain Ducasse Tokyo" を経て CLASKA 料理長に就任。2016年、料理人コンペティション「RED U-35」にてシルバーエッグ入選。

CLASKA Restaurant "kiokuh"

シェフ 湯澤秀充による、日本の四季折々の味覚を盛り込んだフレンチベースの軽やかで美しいお料理をご提供します。毎朝7:30からのブレックファストに始まりディナータイムまで、時間帯に応じたメニューをご用意。コースメニューは、全7品6,000円+税、全5品のライトコース(4,000円+税)も。

今回の料理

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アミューズ:「鯨のカルパッチョ」/1800円+税

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前菜:「マッシュルームのクレープ」/1400円+税

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メイン:「日本鹿のロースト トレビスとザクロ ソースポルト」/3300円+税



※写真の料理はすべて2名分となります。


素材の甘みを堪能する秋の3皿。

─────今回選んでいただいたワインは、山梨のワイナリー、ドメーヌ・ヒデの「ソール」です。このワイナリーは、日本固有の黒ブドウ品種「マスカットベリー A」にこだわったワイン造りを行っていることで有名ですね。

湯澤:そうですね。今回のワインは、カベルネ・ソーヴィニョンを主体にしてメルローをブレンドしたものです。だんだんと秋も深まってきて、赤ワインな気分だけど、まだそこまで重いものは......というときにぴったりの一本だと思います。

────どんな特徴があるワインですか?グビグビ飲む系でしょうか。それとも、ちびちび系でしょうか。

湯澤:うーん、その中間ですかね。カベルネ・ソーヴィニョンが主体になっていながらもメルローのニュアンスが強く感じられて、とても飲みやすいワインです。上品な“枯れ感”や土っぽさも印象的ですね。かといって渋い印象に留まるというよりは、やや青っぽいフレッシュさも感じられて、とてもバランスのいい一本だと思います。

────楽しみです。さて、一皿目。アミューズは何でしょうか。

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湯澤:「鯨のカルパッチョ」です。

────鯨! 今年の7月に、31年ぶりの商業捕鯨が再開されたことで話題になりましたね。捕鯨が禁止になる以前、子どもの頃に食べた記憶がありますが、どんな味だったか......。

湯澤:どうぞ、まずは召し上がってみてください。

────いただきます。......甘くておいしい! この甘みは、味付けによるものなんですか?

湯澤:いえ、特別な処理は一切していないんですよ。オリーブオイルに塩とコショウをかけて、仕上げにパルミジャーノをすり下ろしたものを。まったりとした甘みが、ワインとよく合うと思います。これまでもクジラの肉を使った料理を提供したことがあったのですが、その時は冷凍して流通していたものでした。7月の商業捕鯨解禁で生のものが手に入るようになったのですが、やはり格段に美味しいんです。

────ほんと、ワインの優しい味わいと良く合いますね。「鯨」と聞いて一瞬身構えましたが、臭みやクセが全くなくて。サプライズ感のあるアミューズで、身も心も満足です(笑)。さて、次の前菜は何でしょうか?

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湯澤:「マッシュルームのクレープ」です。秋といえばキノコ。個人的に好きな食材なのでよく使うのですが、今回はマッシュルームを主役にした一皿をつくってみました。

────マッシュルームをスライスしたものと一緒に振りかけてある黒いパウダーはなんですか?

湯澤:ヘーゼルナッツと乾燥させたマッシュルームを合わせたパウダーです。

────早速いただきます。......うわぁ、とても滋味深いですね。クレープ生地の中にはどんな素材が入っているんですか?

湯澤:細かく刻んだマッシュルームにニンニクとエシャロットを加えてじっくりソテーしてつくる「デュクセル」と呼ばれるペーストに、大きくカットしてソテーしたマッシュルームを加えています。

────素材はシンプルですが、結構食べ応えがあります。鯨のカルパッチョと同様、とても上品な甘みも感じますね。これはマッシュルームの甘みなのでしょうか?

湯澤:クレープの生地にポルチーニを乾燥させたパウダーを練りこんでいるので、その風味も関係しているかもしれませんね。あとはソースも。このソースは「ソースシュープレーム」というもので、マッシュルームの出汁を煮詰めたものに生クリームと鶏の出汁を加えて作ったものです。

────ワインがほのかに醸し出す枯葉や土のニュアンスと、キノコの土の香りと旨味が寄り添って、とてもいい感じですね。ワインの優しさと料理の優しさの波長が似ているというか。とても味わい深い一皿でした!

湯澤:最後のメイン料理をどうぞ。「日本鹿のロースト トレビスとザクロ ソースポルト」です。

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────とても華やかですね! 上に散らしてあるものは何ですか?

湯澤:アマランサスの若い葉です。最近だと、種子はキヌアと共に栄養価の高いスーパーフードとして知られていますね。どうぞ、召し上がってください。

────鹿肉、少しクセがあるかと思いましたが、そんなことないですね。ソースととても良く合っていて、ジューシーで美味しいです。このソースはどんな素材を使っているんですか?

湯澤:「グランヴヌール」という、フランス料理の世界で定番のソースがあるんです。胡椒の効いた赤ワインベースの「ソース・ポワヴラード」にアカスグリという酸味の強い赤いフルーツのジュレを加えたものなのですが、鹿肉ととても相性がいいということで、よく組み合わせられるんですね。でも、今回は敢えてそのソースにはせずに、「ルビーポルト」という甘いポルト酒を使ったソースを作りました。炒めたエシャロットとポルト酒を煮詰めたものに赤ワインと鹿でとった出汁を加え、さらに煮詰めて濾したあとに、バターを入れて煮詰める。とても濃厚なソースです。

────ザクロとコショウが効いていますね。

湯澤:そうですね。このソース効果で、料理自体に黒コショウのスパイシーさとザクロの甘い味わいを感じるので、そこにワインの赤い実を思わせるフレッシュな酸を合わせるという“補完”のペアリングです。

────とてもやさしい味わいですね。今回の料理はどれも、使っている素材それぞれ特有の「甘み」を感じました。個性や主張が強いわけではないけど、じんわりと心に残る。ワインのテンションと料理のテンションがとても近くて、ほっこりと優しい気持ちになりました。

湯澤:まさに、寒さが深まる季節にぴったりのワインだと思います。是非、秋の味覚と一緒に楽しんでみてください。

◎10月25日現在のアラカルトメニュー/日本ワインのリストはこちらから

アラカルトメニュー

>日本ワインのリスト(pdf)
白ワイン赤ワイン

CLASKA Restaurant "kiokuh"(キオク)

kiokuh

所在地:東京都目黒区中央町1-3-18 CLASKA 1階
Tel:03-3719-8123
営業時間:7:30〜23:30/営業時間の変更のお知らせはこちら
Breakfast/7:30〜11:30(L.O. 11:00)
Lunch/11:30〜15:00(L.O. 14:30)
Tea Time/15:00〜17:30(L.O. 17:00)
Dinner/18:00〜23:30
(コースL.O. 21:00、アラカルトL.O. 22:00、ドリンクL.O. 23:00)
*17:30〜18:00 はクローズします。
店内終日禁煙/テラス席は常時喫煙可/WiFi 無料/ペット同伴可(テラス席、一部ソファ席のみ)ペットシーツとリードをご持参ください
※ディナー時は別途サービス料(10%)を頂戴します。
WEB予約はこちらから

2019年10月25日公開
編集・取材・文:落合真林子(CLASKA)
撮影:山本純子(CLASKA)