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CLASKA Restaurant "kiokuh" シェフ 湯澤秀充の

今夜飲みたい日本ワイン、一緒に食べたいこの3皿

日本の四季折々の味覚を盛り込んだ軽やかで美しい
フレンチベースの料理を楽しめる CLASKA Restaurant "kiokuh"(キオク)。
季節ごとに変わるコース料理が好評ですが、実はアラカルトも精鋭揃い。
そして、ワインセラーにはマニア垂涎の日本ワインがずらり。
本連載では、毎回1本の日本ワインをチョイスし、
共に味わいたいアラカルト料理3品を
アミューズ・前菜・メインのコース仕立てで紹介。
kiokuh のツウな楽しみ方、提案します。

 

第2回:山梨発“世界レベルのシャルドネ”は、3度美味しい。

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今回のワイン

「Chardonnay 2013」Domaine Mie Ikeno(ドメーヌ ミエ・イケノ)/山梨県

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Profile
CLASKA Restaurant "kiokuh" シェフ
湯澤秀充(ゆざわ・ひでみつ)


1981年東京都生まれ。料理学校を卒業後、都内でフランス料理とスペイン料理を学び26歳で単身渡仏。ミシュラン1つ星 "Le Jardin des Remparts" にて外国人初となる肉料理のセクションシェフを務める傍ら、デザートやパンなども手掛ける。2年間をブルゴーニュ地方で過ごした後帰国。ミシュラン2つ星の銀座 "Beige Alain Ducasse Tokyo" を経て CLASKA 料理長に就任。2016年、料理人コンペティション「RED U-35」にてシルバーエッグ入選。

CLASKA Restaurant "kiokuh"

シェフ 湯澤秀充による、日本の四季折々の味覚を盛り込んだフレンチベースの軽やかで美しいお料理をご提供します。毎朝7:30からのブレックファストに始まりディナータイムまで、時間帯に応じたメニューをご用意。コースメニューは、全7品6,000円+税、全5品のライトコース(4,000円+税)も。

1本のワインと向き合って、味わいの変化を楽しむ

────さて、今回のワインは山梨県の「ドメーヌ ミエ・イケノ」のシャルドネです。八ヶ岳の裾野の丘陵地に広がる美しい葡萄畑と、クオリティの高いワインで人気のワイナリーですね。発売後、すぐに完売してしまうことでも知られています。

湯澤:ドメーヌ ミエ・イケノのワインは、僕にとって「日本ワイン」のイメージを変えてくれた存在です。自分が修業時代を過ごしたこともあり“やっぱりワインはブルゴーニュだろう”と思っていたのですが、はじめてここのワインを飲んだ時に「ブルゴーニュで飲んでいたワインに引けを取らないじゃないか!」と驚きました。

────世界レベル、ということでしょうか。

湯澤:育ちの良さを感じるというか……本当に綺麗な味で。値段は高めなのですが、その価値はあります。「しっかり向き合う」ワインですね。少なくとも、酔っている時に開けるワインではない(笑)。

───笑。さて、アミューズはなんでしょうか。

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湯澤:「フォアグラレーズンウィッチ」です。こちらはもともとコース料理の中の一皿として提供していたものなのですが、お客さまからの評判が良かったことと自分自身も気に入っていたので、それ以来アラカルト料理の定番になりました。フォアグラの筋を取って真空後にスチームし、そこに生クリームを加えてミキサーにかけたものと、ラム酒につけたレーズンとホワイトチョコを混ぜてつくったバタークリームを2層にして、サンドしたものです。

────フォアグラを使った料理といえば、貴腐ワインやデザートワインといった個性の強いワインと合わせるイメージがあります。ということは……今回のワインも、それだけのインパクトがあるワインということでしょうか?

湯澤:このワインの面白いところは、栓を開けたあと時間が経つにつれて、どんどん味が変化していくところです。インパクトが強いというよりも「奥行きがあるワイン」と表現した方がイメージに近いかもしれませんね。どうぞ飲んでみてください。

────いただきます。あ、樽の香りが結構しっかりしていますね。

湯澤:そうですね。柑橘系の酸味も感じると思います。

────フォアグラレーズンウィッチもかなり濃厚な味わいですね。ワインととても良く合います。シャルドネって、なんとなく「軽くて飲みやすい白ワイン」というイメージがあったのですが、このワインはちょっと違いますね。

湯澤:そうですね。レーズンウィッチをゆっくり味わっている間に、柑橘系の酸味が少しずつ違ったものに変化してくると思います。

────面白い! 楽しみです。さて、次の前菜はなんでしょうか。

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湯澤:「青森県馬肉のタルタル」です。

────タルタルといえば、フランスのビストロではおなじみのメニューですね。

湯澤:この料理、実はブルゴーニュ時代の師匠のスペシャリテ「牛肉と牡蠣のタルタル」を自分流にアレンジしたものなんです。馬肉というと熊本のイメージが強いかもしれませんが、とても美味しい青森の馬肉に出合って。赤身でタルタルをつくってみました。

────馬肉の上に載っているものはなんでしょう? 色合いが綺麗で気分が上がりますね。

湯澤:オレンジ色の丸いものは、卵黄の塩漬けです。周りにハーブのヤロウ、それからコリアンダーの新芽とディルを散らし、さらに蜜の味を感じるペンタスという名のピンクの花を加えました。これらを、タルタルと一緒に薬味として楽しんでいただくイメージですね。横に添えたのは、那須の「KANEL BREAD」から仕入れているカンパーニュ。一般的なカンパーニュよりもライ麦比率が高くて、程よい酸味が特徴です。この上にタルタルをのせて食べてみてください。ワインとの相性もピッタリなはずですよ。

────いただきます。……いろいろな味わいがミックスされて美味しいですね! ほんのりとエスニックっぽさも感じます。ワインの味わいも、さっきまでとは少しニュアンスが変わってきていますね。蜂蜜とかパイナップルを思い起こさせるような。

湯澤:いま「エスニック」というキーワードが出ましたが、エスニックなハーブ類とパイナップルは相性が良いんですよ。シャルドネは、ワイン単体だとそこまで個性が強いものが多くない印象ですが、その分懐が深いというか、色々な味わいを柔軟に受け止める気がします。

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────さて、最後のメイン料理はなんでしょうか。

湯澤:「アンコウのロースト 時季の山菜」です。

────アンコウですか! 山菜も春らしくていいですね。

湯澤:アンコウは白身魚で、肉でいうと鶏肉に近いタンパクな味わいです。とても水分が多い魚なので、2週間ほど熟成させて水分を抜いたあとに、焦がしバターでしっかりソテーしました。

────黄色いパウダーのようなものは何ですか?

湯澤:これは、塩漬けにした卵黄を乾燥させて砕いたものです。何となく、カラスミのような味わいがしませんか?

────そうですね。アンコウのタンパクな味わいとよくマッチしています! 全体的に、バターの香りを強く感じる一皿ですね。微かに感じる山菜の苦味も効いています。

湯澤:山菜は、うるいだけが生で、それ以外のこごみ、たらの芽、わらびは、バターでソテーしています。このメイン料理に差し掛かる頃には、ワインの味わいもさらに変化していますよ。先ほどまでのトロピカルな味わいから、ナッツ感やバタースコッチ感を感じる味わいに変化していませんか? 今回の3皿は、ワインの味の変化を踏まえた組み立てにしてみました。

────本当だ! 時間が経つごとに、味わい深くなるワインですね。料理が変わるたびに違うワインを飲んでいるかのようで楽しい。まさに「3度美味しい」ワインでした。 

湯澤:キオクではディナーコースに合わせたワインペアリングも行っていますが、今回のようにポテンシャルの高い1本としっかり向き合って、ワインを味わい尽くすという楽しみ方もおすすめですよ。

<今回の3皿>

アミューズ:「フォアグラレーズンウィッチ」
1個800円+税

前菜:「青森県馬肉のタルタル」
2200円+税

メイン:「アンコウのロースト 時季の山菜」
2800円+税

※前菜・メインのお料理に関しては、2名でシェアしていただける量となります。

◎3月22日現在のアラカルトメニュー/日本ワインのリストはこちらから

アラカルトメニュー

>日本ワインのリスト(pdf)
白ワイン赤ワイン

CLASKA Restaurant "kiokuh"(キオク)

kiokuh

所在地:東京都目黒区中央町1-3-18 CLASKA 1階
Tel:03-3719-8123
営業時間:7:30〜23:30/営業時間の変更のお知らせはこちら
Breakfast/7:30〜11:30(L.O. 11:00)
Lunch/11:30〜15:00(L.O. 14:30)
Tea Time/15:00〜17:30(L.O. 17:00)
Dinner/18:00〜23:30
(コースL.O. 21:00、アラカルトL.O. 22:00、ドリンクL.O. 23:00)
*17:30〜18:00 はクローズします。
店内終日禁煙/テラス席は常時喫煙可/WiFi 無料/ペット同伴可(テラス席、一部ソファ席のみ)ペットシーツとリードをご持参ください
※ディナー時は別途サービス料(10%)を頂戴します。
WEB予約はこちらから

2019年3月22日公開
編集・取材・文:落合真林子(CLASKA)
撮影:速水真理(CLASKA)